初めにイングランド西部のコッツウォルズ地方と呼ばれる丘陵地域近辺をまわり、その後ロンドン市街を廻りながらレクチャーと授賞式に出席しました。何回かに分けて旅の様子をお伝えしたいと思います。
12時間のフライトを経て、
ヒースロー国際空港に到着。
これに乗っていた訳ではないのですが、American Airlines の機体がなかなかかわいいです。シルバーのボディが空を映し出しています。
まずは Chipping Campden チッピング・カムデン という石造りの建物が立ち並ぶ街へ。チッピング・カムデンは12世紀の初めに街造りが始まった、コッツウォルズ地方でも最も古い町とのことです。Chippingは市場、Campdenは野原のある渓谷を意味しています。
今回、まずは現代の建築が立ち並ぶ地域よりも石造りの古い建物に宿泊、体験することにしました。海外の出版社の方などから自分の建築も含め、よく日本の開放的なつくりの建物についての理解が難しいようで説明を求められるのですが、おそらく伝統的な建築物の違いに由来するものと思われ、木軸組造(木柱と梁の軽くて開放的な造り)と積石造(石やレンガを積んで作るため、壁が厚く窓が大きくとれない)の文化の違いを体感したいという気持ちもありました。
チッピング・カムデンを含め、この地方は多くの建物(住宅含め)が17世紀、18世紀に建てられたもので、中には600年前のものもあるといいます。また、多くがこの地方で採れる石灰岩(ライムストーン)を使っているため、統一感のある街並が形成されています。屋根は上の写真のように茅葺きの建物や、石貼りの建物があります。
街の中心部に建っているマーケットホール Market Hall (1627)。
かって羊毛業が栄えた時代にはここで取引が行われたといいます。
倉庫でしょうか。とても素朴な造りで、現代的な印象も受けます。
この地方に多い石積壁のデティール。
多くの壁がモルタル等の接着材を使わず、積んであるだけのようです。地震が全くないのでしょう。日本だったら近寄りたくない壁です。
あとは時折見かける木造の塀。自然な木の断面形状を生かした美しい納まりです。
葺き替え中の茅葺き屋根。軒先をそろえてカットして終了ですね。前髪を揃える前の髪型のようにも見えます。
続きます。