今週で2回目の授業ですが、平塚市にある東海大学へ。湘南キャンパスとよばれる、東海大のメインキャンパスです。
近代建築の巨匠、山田守のキャンパス計画の中で、同じく山田守の設計による建築群が並びます。東海大学の設立にも尽力した建築家です。資金がなかった大学のために無償で設計したと伝えられています。
初めの写真が1号館で、上の写真はその屋上からキャンパスを見下ろしたところです。きれいに軸線を通し、広大な敷地ながらも分かりやすいキャンパス計画になっています。その軸線上に1号館を置き、その手前の広場のところで道路をY字型に両脇に分けているのが見てとれます。これが分かりやすいながらも単調さを避けるポイントになっています。
左ウイングの方向を見ると、個性的な2号館、3号館、4号館が立ち並んでいるのが見えます。
ちなみに屋上にはこのようなスロープを延々と登っていきます。塔屋までスロープは続き、その中心には部室が入っています。
これが1号館。ダイナミックな造形です。Y字型の平面をしています。
そして2号館。大小2つのホールが向かい合って2枚貝を想起させるような形になっています。
そして3号館。スロープが多用されています。明治大学は同じ分離派の堀口捨巳の設計によりますが、同じくスロープが多用されているのが興味深いですね。しかし、明治大学は元々のキャンパス計画をあまり尊重しない新しい校舎が林立しているため、全体の統一感はなくなってしまいました。そういった点で、山田守の東海大キャンパスはさまざまな造形の校舎が並びつつも、統一感がみられるところが特徴です。
3号館見上げ。
4号館。
4号館見上げ。
4号館近景。
グラウンドと研究室棟を分ける木立。ここはそれほど大きな道ではないのですが、それでも軸線をきれいに通しています。また狭い道幅に、20mくらいでしょうか?かなり高い街路樹が植えてあることで境界が引き立っています。
グラウンドを挟んで向かい側にある研究室棟群は一転して統一感のある校舎になっていて、その対比が面白いです。こちらはまた紹介したいと思います。