2012年3月11日日曜日

朝倉家住宅

事務所からほど近い場所にあるのですが、「旧朝倉家住宅」という大正時代の和風建築が数年前から一般公開されまして、前を通りかかったので立寄ってみました。夕方だったので思うように写真が撮れず、断片的ですが紹介します。
    
朝倉家はもともと代官山の大地主で、建築家の槇文彦と共にヒルサイドテラスをつくるなど、まちづくりにも貢献した方です。現在は朝倉不動産として、一帯を管理しています。 あの一帯の、都心では得難い低層で良好な環境は朝倉家の存在によって生まれたといってもよいでしょう。



いきなりですが、住宅の中で最も長い廊下。30m以上ありそうです。台所や女中部屋などの裏方の部屋を貫く動線なのですが、なかなか美しいです。






「杉の間」と呼ばれる、すべての杉を板目で使うというマニアックな部屋。座ったときの目線の位置でぐるりとガラスをまわしています。







表にあたる、縁側的廊下はこのようなかんじです。

     

      



庭は傾斜を生かした回遊庭園になっています。      









大広間の襖絵。具象的でありながら平面的でグラフィカルでもあり、現代的な様相もみせていてそのバランスが美しいです。20世紀の欧米の建築家が、近代化にあたり日本の美術や建築を参照したというのもうなずけます。






    
同じく広間の床の間のようす。
     






    
洗面所の窓。陰翳礼讃ですね。
    






 和室のなんともいえない高さ(140cmくらいでしょうか)の入口から廊下を見る。日本の建築はスケール感が面白いです。現代建築でもその感覚は生かされているような気がします。






内部は公開されていなかったのですが、土蔵です。外壁についている鉤状のフックには、火事の際に濡らした藁をひっかけたといいます。

なかなかおすすめな場所です!