2012年1月10日火曜日

東京電機大学講評会

電機大の2年次、3年次合同の講評会がありました。
自分が教えているのは建築系ではなく情報環境系の学科なのですが、その点で特徴的であり、優秀な設計だったのが2年次の盛幸くんです。





















全編コンピューターを使ったCADでのプレゼンテーションです。CADで作成したCGは模型写真などに比べ、どうしても情報量が少ないので臨場感に欠けることが多いのですが、すばらしい表現力で計画物のイメージを表現していました。計画自体も、地下の環境を使いながら落ち着きと開放感を併せ持った、実現してほしいと思わせる美術館です。電機大では何年も教えていますが、今までの学生の設計の中で一番よい計画だったと思います。



対照的なプレゼンテーションを見せたのが3年次の山村匠くんです。
彼は電機大ではめずらしく、大きな模型を主体に提案していました。トラス(3角形が連続する構造体)のフレームの中に6角形断面の居室を埋込んでいる集合住宅の提案です。ペデストリアンデッキで隣の棟と連続させ、低層階は店舗となっているのですが、上層階の住居部分との間にトラスで空隙をつくり緩衝帯としています。住居同士の間にもトラスで共有空間を作っていて、なかなかよくできています。若干フレームの拘束が大きいところが気になりますが、意欲的な設計であるといえるでしょう。

今年はこの2人が対照的な、なかなかよい案を見せてくれました。電機大は建築系のような学生同士の上下の交流が少なく、相互に影響を与え合うような関係が希薄なところが課題なのですが、他の学生も参考にしてほしいものです。みなさんお疲れさまでした。