3年間にわたる改修のための閉館を終え、東京都庭園美術館がリニューアルオープンしました。
1933年に建設されたアールデコ様式の旧朝香宮邸を80年前の姿に忠実に再現したとのことで、以前見たときとはかなり異なる印象。見学できる部屋も増えて、当時の様子がリアルに伝わってきます。
主要な部屋のインテリアデザインはフランス人の装飾家アンリ・ラパンによるもの。この壁紙もラパンが描いた壁画らしいですが、岩山の大きさが日本ではない風景を感じさせます。
他に当時の壁紙を再現した場所もあり、なかなか現代的なデザインに驚きます。建設時は第二次世界大戦前ですから、どれほど斬新に見えたことでしょう。
リニューアルオープン展として、現代のアーチスト内藤礼さんの小さな彫刻がそこかしこに置かれています。鑑賞者である私たちの分身であるかのように、全ての彫刻は窓もしくは鏡に向かって配置されています。
新しく建てられた新館へ渡る廊下には、デザイナーとの協同で知られる三保谷硝子製の波打ったガラスが立てられています。
新館は光を反射するアーチ型の天井が特徴的。キンベル美術館の写しとでもいうべきか、そのコンテクストが気になるところではありますが、端正で美しい建築でした。
庭園部分は来年春以降の公開とのことで、こちらも楽しみです。